2

貴女と私














「ほして勝負はつかへんかったん?」



苦笑いで問い掛ける友人の言葉に、セナは困ったようにコクリの頷いた。


「うん。結局いつも通りだったの」
「フフ。2人共あきへんね」
「ホントだよ。大和君の勝負好きには困ったもんだよ」
「そうなん??」
「そうなの。おかげで、練習らしい練習ができずに終わったの」


もう!と言いながらもセナの顔はなんだか楽しそうで、話を聞いていた花梨までもが楽しくなってしまう。

ふと花梨は、思い出した。
帝国へ入学し同じクラスになったセナは、とても同い年には見えず、本人が気にしてる低い身長は、下手すれば小学生のようで、顔だってとても幼く見える。

けれど、普通の高校生にはないオーラが、セナにはあった。



(凛としたオーラがあった。周りを寄せ付けない何かがあったんよね。)



今では、無邪気に笑うセナからは想像もつかないが。
しかし今となっては、花梨には関係のない過去だ。
こうしてセナと友達になって、お話も出来て、楽しい毎日を迎えられるのだから。


「あ、チャイムが鳴った。もうこんな時間かぁ」
「昼休み、もう少し長かったらええのに。」
「だよね。それだったら、たくさんお喋りできるのにね」


あーあと、二人して言いながら弁当箱を片づけると、どちらともなくフフと笑いだした。


「また、手紙交換やね」
「うん!確か花梨ちゃんで終わったよね」
「うん。話の続きは、それからやね」


これから授業だというのに、二人は手紙のやり取りで頭がいっぱいだった。
今からの授業で、抜き打ちテストがあるとはつゆ知らずに。

















(…抜き打ちがあると誤算やったわぁ)


シクシクと泣きながら、5現目の抜き打ちにはセナと二人してショックを受けてしまった。
さすがに、これは応えたの確かで。
部活はともかく、お昼まであの『大和君』と『鷹君』にまで取られて、なかなかお喋りができない。
今日は偶然が重なり、運良く一緒に食べれたのだ。


「花梨ちゃん、私ダメかも~」
「私も~」
「何がダメなの?」
「「わっ!?」」


なんやかんやと精神的に落ち込んでると、不思議そうにかけた声に、二人揃って驚く。


「た、鷹君…!」
「…(面白いなこの二人)何がダメだったの??」
「ん~;5現目に抜き打ちテストがあって、二人で落ち込んでたの」
「俺も、4現目抜き打ちだったから、もしかしたらって思ったんだけど。」
「えー!?そうだったの!?」


驚くセナに、コクリと頷いた鷹。
すると、セナの頬が見る見るうちに膨らんでいく。


「…セナ、フグの顔になってる」
「ム~、教えてくれてもいいじゃない」
「?メールしたけど…」
「え、うそ」
「嘘じゃないよ。携帯見てみな」
「(ゴソゴソ)…あ、ホントだ」



ぶはっ!



「「!?!??」」



途端に凄い音に、セナと鷹の視線がある人物に向いた。
その人物は、ずっと二人の会話を聞いていた花梨の吹き出し笑いだった。



「ど、どうしたの!?私、変なことした!?」
「花梨、茹でタコみたいだけど…」
「ふふ!た、鷹君、これ以上、変なんこと言わへんで…!」
「「??」」


ただただ爆笑する花梨に、二人は首をかしげるばかり。


「何か面白いことしたっけ??」
「いいや。思い当たる節が無い」
「じゃあ花梨ちゃん、何にツボッたんだろう」
「さぁ…」




鷹とセナの会話が、あまりにもほのぼのとして可愛らしかった、なんて言えるはずがない。
それに、あの鷹がセナのとの会話で、なんだかクールなイメージが変わるものだから、つい笑ってしまったのだ。



「オーお前ら、はよ―行かんと、キャプテンが怒るでー、て、どないしたんや??」


1年教室まで、迎いに来たアキレスは、花梨がお腹を抱え、笑ってる姿に首をかしげる。


「…いや、なんでもない(説明がめんどくさい)」
「はー、笑った」
「何だったの??」
「気にせんどいて♪」
「余計、気になるんですけど;;」














END...


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