「ん…」


何だか暖かい。
とても気持ちいい。
さっきまで肌寒かったのに。


「乱太郎、起きたか?」


あれ?この声って…。


「ふにゃ??小平太先輩??」
「ん、おはよう。乱太郎」
「おはよ-ございましゅ…」
「プ、呂律が回ってないぞ」


小平太にずっと抱きしめられていた乱太郎。それが気持ちよくて暖かかったのだ。
目を覚ました乱太郎だったが、まだ完全に覚醒していないのか、寝ぼけていた。
そんな姿に、苦笑いを漏らすしながら、優しく頭を撫でる。


「ほにゃ~気持ちいいですぅ」
「っ。乱太郎、」
「もっとしてぇ・・・」


寝起きの乱太郎は、毎回ながら反則だと小平太は思った。
まるで事情中のような仕草をするものだから、ずっと理性と戦わなければいけない。
しかも無自覚でやるものだから、なおさら質が悪い。


「乱太郎、もう我慢できない」
「ふぇ??…きゃう!?」


乱太郎の細くて白い首に、ガブリと噛みつく。
まだ夢と現実を行き来してた乱太郎には、強すぎる刺激で嫌でも覚醒する。


「ぃ、たぁい、せんぱ…んぅ」
「はぁ…許せ、乱太郎。やっぱり無理だ」
「あふ…ん、ん…」


白い首に、くっきりと歯形がつき小平太は満足そうに笑みを浮かべる。
そして柔らかく可愛らしい唇に、切羽詰まったようにキスをする。
実は体を重ねたかったが、寝てしまった乱太郎に無理強いをしたくなかった。
しかし、さっきの乱太郎で、我慢していた小平太の理性が、いとも簡単に切れてしまったのだ。


「ずっと会いたかった…触りたかった」
「せんぱ、い…私もずっと会いたかった」
「会えなかった分だけ激しくなるぞ?」


それでもいいのか?
そう聞いてきた小平太の目は欲に染まった男の目で。
乱太郎は少しもじもじと恥じらったが、ゆっくりと頷いた。

それと同時に、小平太の理性という理性が無くなり、それはまるで。




狂った獣のようにかぶりつく姿


(小平太!!!いい加減にしないか!!!)
(何がだ?いさっくん)
(何がだ?じゃないよ!!乱太郎のあの痛々しい姿を見ても何とも思わなの!!?)
(うん?そりゃ思ってるさ)
(それじゃすぐ)
(やめない。あれは俺のだっていう印だ)
(な…!?)
(それを見る度に、俺は堪らなくなるんだ。乱太郎の体に刻んでいいのは、この俺だけだってな)
(っ…!それじゃ乱太郎が可哀相だ!)
(伊作、それは愚問だな)
(は?)



あの子から求めて来るんだから、それをどう拒んだらいいんだ?
(あんな可愛らしい顔で求めてくるもんだから)














――――――
実は言うと『約束と雨』で入れるはずの一部だった産物。
後半は書き足しましたが、私が書くこへ乱は病んでるのがお好きらしい。
どーしてくれるんだ!!←何が!?
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